「亜細亜くいだおれ」 February 16,1999
紅白のお餅はおいしーすっ

牛嶋さんのイラスト 牛嶋 直美
ウシジマ・ナオミ

からだの組成の87%がチューカでできているちゅーか。残りの13%はタイ、ベトナム、インド料理でできてるちゅーか。
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恭喜發財(こんへいふぁっちょい=日本語でいうところの「あけましておめでとう」。でも意味は「儲かってたいへん喜ばしいだすな」。)!!

今日16日、ようやく香港は1999年が明ける。1月1日の新暦正月を祝う日本では、「2月に正月だなんて」と戸惑う人もいるだろう。でも、香港ではこれが当たり前で、旧正月元日からの3日間は、日本の三が日とほぼ一緒、あるいはもっとめでたいかもしれない。

正月には、親戚の家を回って利是(れいしー=お年玉)をもらう。日本お年玉は子供がもらうことが大前提。では香港はどうかというと、基本的には一緒である。ただ、日本がその子供と大人の基準を「年齢」で分けるのに対し、香港の一人前の条件は「結婚」だということ。

ある意味では日本もそうだろうけれど、香港でこれはもう、面白いほど如実に分かれている。20歳台の弟が結婚していれば、姉が30歳になっても40歳になっても独身でいる場合、弟夫妻がはるか年上の姉へ利是を贈る。独身者は「まだ大人として認められていない」のだから、大手を振って利是を受け取れるわけだ。

そうはいっても、もちろん例外もある。独身でもすっかり成人して稼ぎがよければ、その家の両親が子供や年下の独身者へ贈る利是は、その独身の娘なり息子が用意するのはごく当たり前のこと。弟たち夫婦はどんなに若くても、ある程度の利是は用意しなければならず、相応の心構えというものができてくる。

私はこれを間近に見て、獅子舞が踊りにやってくる公営住宅でありがたく利是をもらいながら、意外に大人な習慣だなあと感心&すこし反省をするのだった。

ところでお正月といえ「蘿蔔糕」(ろうばっこう)。いわゆる大根餅である。私の日本人のお友達の誰もが好きな飲茶メニューのひとつなのだが、これ、実はお正月の食べ物なのだ。

晦日になると、料理上手な主婦が大量にこの大根餅を作り、近所や仲良しの友人たちに配る。家でもたいが1つや2つ、買って用意するものだから、正月を迎えた香港人家庭の冷蔵庫は大根餅だらけ、ということもしばしばである。大袈裟じゃないよ。

もともとの形はケーキというか、ゴーフルの缶というか、ま、とにかく平べったい円柱をしている。これを薄くスライスして、フライパンに油を熱し、こんがりと両面を焼きあげる。臘腸(らぷちょん=腸詰め)の匂いが香ばしく、大根のジアスターゼが効くからか食べ過ぎても胃がもたれることもない。少し醤油をつけて、焼き立てあつあつをいただくのが抜群にうまい。

でも、実は私にはもっとすきなお餅がある。「年糕」(にんこう)といって、これはほんのり甘みがついており、お菓子(和菓子っぽいイメージかな。なにしろお餅だから)のような感覚で、おやつに食べるもの。

大根餅が白いのに対し、年糕は赤。紅棗(ほんちょう=干したナツメ)の風味がついているものだ。調理法は、溶き卵にくぐらせてフライパンで両面を焼くだけ。これがね〜、ホントにうまいのですよ。甘いもの好きにはこたえられない味。

ああ、今年も食べたかった。私はといえば、永井先生が体験なさった航路を追って(とはいっても、実際の航路はどうなのかわからないが)、南太平洋の船上で、今日の旧正月元日を迎える予定なのだ。これはこれで楽しみだが、年糕が食べられないのばかりはちょっと辛い、1999年の始まりなのである。

ということで、いってきます。

「蘿蔔糕」(ろうばっこう)
「蘿蔔糕」(ろうばっこう)



「蘿蔔糕」(ろうばっこう)「年糕」(にんこう)が食べられそうなお店

徳興火鍋海鮮酒家(たっひんふぉうぉほいしんちゃうがー)
香港風火鍋で有名な広東料理店。昨年の旧正月には、「年糕」(にんこう)が夜にも食べられました。ホントに激うまよ。昼間は飲茶もやっているので、「蘿蔔糕」(ろうばっこう)のほうは問題ないでしょう。



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