| 「亜細亜くいだおれ」 September 14,1999 | |||
| オキアミの発酵臭が私を呼ぶ | |||
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香港の新空港、赤臘角(ちぇらぷこっ)空港は、大嶼山(たいゆぅさん=ランタオ島)にある。正確には大嶼山の北側にある東涌(とんちょん)沖の小島。新空港建設に伴い橋がかけられて、小島は大嶼山と陸続きになった。 大嶼山から中心地へ行くためには、3本の橋を通る。 ひとつは汲水門大橋(かぷそいむんだいきゅう)。2本目は、青馬大橋(ちぇんまーだいきゅう=チェンマ大橋)、3本目が、藍巴勒海峡橋(らむばーれいほいはぷきょう=ランブル海峡橋)。現在香港を訪れる誰もが、じつはこの3本の橋のお世話になっているのだ。 いちばん長く派手なせいか、有名なのは青馬大橋。でもじつはこの橋、大嶼山と青衣を直接結ぶものではない。もしそうなら、大嶼山から「大」をとって、大青大橋(だいちぇんだいきゅう)になるはずだもんね。「青」は青衣の青、では「馬」ってなーんだ。 正解は、馬灣(まーわん)。 それは大嶼山と青衣の間にぽっかり浮かぶ、小さな小さな島の名前。空港からバスやクルマで移動する場合、料金所を過ぎて青馬大橋を渡り始めたら左側を注意してると見えてくる。島といっても、見た目は荒涼とした茶色い土のかたまり。橋脚工事のために島東部の豊かな自然はほぼ破壊されたから、茶色い土がむきだしになり、丸く小山のように見えるのだ。青馬大橋の橋脚の一本は、この島が支えている。 もともと馬灣は田舎の漁村。香港の他の離島と同じように、昔ここでは鹹魚(はむゆぃ=塩漬け魚)や蝦醤(はーちょん=蝦ペースト)を作る風景が見られた。 蝦醤を作る冬場、サンパン(小舟)で馬灣の港へ近づくと、舟の中にまで独特の匂いが漂ってきた。胃袋が香港人な私に、それはすごく食欲を増進させる匂い。でも、慣れない人の中にはどうもこれを悪臭と感じる人もいるらしい。無理もない。そりゃもう強烈。嫌い&神経質な人は、息、吸えないかも。蝦醤はオキアミを塩漬け発酵させた後、天日干しして作る。強烈な発酵臭があり、そのままだと相当癖のある匂いなのだ。 でも、火に通すと意外にまろやか。代表的な料理は、蝦醤炸鶏(はーちょんじゃーがい)。これは蝦醤をかくし味に使った鶏肉のから揚げ。コクがあり、濃厚な味わい。蝦醤の匂いが苦手でも、この料理ならきっとOK。だまされたと思って、ぜひ一度。 ![]() ![]() 調味料として出来上がる前ってば、じつは私でも顔をしかめる状態。ポリ容器で発酵させるとき、フタをしないのがその理由。そこには新しい生命が宿る場合もあるのだ(むしとかです、はい)。でも、これこそが味に深みを出す秘密なのかも。
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