| 「亜細亜くいだおれ」 March 28,2000 | |||
| ハワイのお魚と食い意地でタメ | |||
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ダイビング初体験は、池袋サンシャイン水族館の回遊魚水槽だった。よくある突撃取材のひとつで、その日は餌付けショーをやらせてもらうことになっていた。営業時間が終わり通路の電気が消えた後、それはひっそりと行われた。 ウエットスーツに身を包んだ私は、ダイバー先生から簡単な注意を受け、水槽の上に立った。下手ではあるが、素潜りも泳ぎも好きなほう。水そのものはなんともない。でも、上から見た水槽には独特の怖さがあった。狭い水槽はガラスのせいでさらに圧迫感を強く感じる。色とりどりの魚の数は尋常じゃなく、さらにはサメもエイも見える。心臓はばくばく高なった。や、やめようかな。だけどこれもシゴトだし。私は、勇気を振り絞って水槽へ入る。 1度目は、失敗してしまった。 海と違って温度差の少ない水槽では、厚さ3ミリのスプリング(半袖半ズボン)で十分。なのに私が用意したウエットスーツは、5ミリのフルスーツ(長袖長ズボン)。思ったより浮力が大きすぎて、どうやってもプカリと浮き上がってしまうのだった。うまく潜れずに水中で両手両足をバタつかせるさまは、どっから見ても漫画。今思い出しても恥ずかしい限り。 ダイバー先生は、私の腰につけたオモリを倍にした。さらには「ここにも入れちゃいましょうか」と、魚篭にまで。しかも二つも入れてる。初心者は潜るときの力の配分がうまくできないため、本人が何もやらなくていいよう重りで沈める、ということのようだった。「潜れても、出られなかったらどうしよう」。急に不安になった。 2度目のエントリーは、うまくいった。先生の真似をして、定位置の岩の上に座る。餌付けに慣れた魚たちは、すでに私の周囲をぐるぐる回り始めている。先生の指示どおり、オモリ入りの魚篭からムキエビを出して魚たちに与える。むさぼるようにムキエビにくらいつくのは、食いしん坊のシマアジ。4尾も5尾もの魚が一ヶ所に重なって慌てるさまがやけにおかしい。魚の正面顔は新鮮で、同じ顔に見える魚にもいろんな表情があるもんだと、そのとき初めて知った。オープンダイバーの講習を受けたのは、それからスグのことだった。 急にそんなことを思い出したのは、先日、ハワイで水槽に潜ってきたせいだ。シーウォークというヘルメット型の器具を使っての水槽ダイビング。特製ヘルメットは、お碗をさかさまにして水に入れた状態と同じ。そこには地上と同じ圧力の空気が溜まるので、今度はレギュレーターをくわえる必要もなかった。 地上で30キロのヘルメットは、水中に入ると5キロ程度になるそうだ。さらに両肩で力が分散されるので重さはほとんど感じない。ヘルメットのてっぺんにホースがついていて、エアはそこから送られてくる。化粧をしたまま、コンタクトをしたままで簡単に潜れる。面倒くさがりの私にはぴったりの、水中アクティビティだった。 その水槽にはサメもエイもいたが、他のメンツは池袋とはだいぶ違った。だけどあのときやたらいやしかったシマアジ同様、ずうずうしい魚がいた。シマハギだ。大きな口をあけ、歯をむきだしにしてエサに食らいついてくる。他の魚が入ってこられないほどの勢い。どこにもいるもんだなあとあきれるほど。だけどよく食べるやつはキライじゃない。私は、シマハギの顔の前に何度もエサを突き出してやった。 ところで、サンシャイン水族館であげたエサはムキエビだったが、シーライフパークのエサは、なんとレタス。随分違うもんだと不思議に思いながらも、餌付けをしてるうち、今度は私のほうがすっかり腹ぺこになってしまった。仕方ない。次は私の番。帰り支度をしなければ。 パーク内にもレストランはあるが、普段ここで食べることはほとんどないのだ。私にとって、ハワイの一食はとても大事。シーライフパークやマカプー、ハナウマベイあたりへ遊びに行ったら帰りに行く場所はたいてい決まっている。 ハワイカイのココマリーナにある、ロコモコドライブイン。ロコモコ好きの私には、その名前がまずたまらなく好きなのだった。通常ロコモコは朝ごはんメニューだが、ここでは昼も夜も食べられる。店で食べても発泡スチロールケースに入っていて、その下品な感じがまたいい。やっぱ海帰りは野蛮メニューに限るのだ。 ![]()
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