| 「亜細亜くいだおれ」 August 15,2000 | |||
| 水律蛇の唐揚げ世界一 | |||
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8年前のある日。 銀座でお茶を飲んでたら、友人のたまちゃんが突然いいだした。「これまで食べてきたなかで、いちばんおいしかったものって何?」 たまちゃんは、「ニューヨークのチャイナタウンで食べたぷりぷりエビ入りの『ぷるぷる』(腸粉のこと。ちょんふぁん=廣東料理の、米の粉で作った蒸しクレープ)」といった。そして、もうひとりの友人が「ワールドカップを見にいったとき、イタリアのいなたい食堂で食べた極薄のカツレツ」。 質問された瞬間、わたしの頭にたったひとつ思い浮かんだものがあった。それは、ハワイの知人宅に滞在中、毎朝裏庭でもいで食べたグレープフルーツ。 「特別な味」というより、なんというか食感がすごかった。やや硬めのじょうのう(房のこと)。なかの粒ひとつひとつが「ぷりっぷり」で「ぱつんぱつん」。そっと噛むと、口のなかでジュースが「ぷしゅー」とはじけた。「Juicy」という言葉の意味って、コレだったんだ。木で熟した果物って偉大。びっくりした。今でもどきどきするほど、それは鮮烈な思い出。 なぜか、昨日その質問を思い出した。早速打ち合わせの相手に質問をし、さらに「今なら何ていうだろう」と考えた。山梨一宮の桃園で食べた白桃、ジャマイカのモンティゴベイで現地人に投石で落としてもらったマンゴ。新鮮な果物は今もなお魅力的だ。けど、わたしにはもっと気になる食べ物があった。 ヘビである。 中国料理で「ヘビ」といえばスープ。華南では、ごく当たり前に食べる。複数種の毒蛇を用い「独特の匂い」がある。体の毒素を出す効能で知られ、冬の香港では飲茶のときにも楽しめるメニュー。レモンの葉の千切りや、菊の花びらを加え、さらに食感を加えるために中国風のクルトン(雲呑の皮を揚げたようなもの。料理長によって形状はいろいろ)をパラリ。ひたすら珍味である。しかしこのスープ、決して「おいしいもの」ではない。 わたしが気に入った「おいしいヘビ料理」はスープでなく、唐揚げだった。スープほど知られてないが、廣州ではたいへん一般的なメニュー。なかでも特においしいのは「水律蛇」(そいれっせい)で、これは、正真正銘ブランド蛇(といういい方もへんだけど)である。 ヘビの唐揚げの作り方は、たいへんシンプル。ぴっと皮をむき、腹から裂いて内臓を除き、身をガッと開く。その後、ぶつ切りにして塩・胡椒で味付け。カラリと油で揚げる。 書いてるだけで、生唾がじんわりする。揚げたてアツアツは、それほど美味だった。とにかく香ばしかった。身に脂肪はほとんどなく、肉はあくまで硬め。「野趣あふれる味」ってこれね。そう思った。骨についた薄い肉は、歯でガシガシとはがしながら食べた。店頭で、注文してから「活きのいいやつ」を選び、その場でさばいてくれた新鮮な肉である。そりゃーうまいはずだよな。 ヘビは、廣州の野味(いえめい)専門店へ行けば食べられる。ちなみに、そのときに食べたメニューは、炸水律蛇(じゃーそいれっせい=水律蛇の唐揚げ)の他、焼果子狸■(しうぐぉじーれいぽう=ハクビシンの煮込み ※保のしたに火)、魚頭豆腐湯(ゆぃとうたうふーとーん=川魚の頭と豆腐のスープ)、乳鴿(ゆぅはっぷ=ハトのロースト)。現地的には、なかなかのごちそうラインナップだ。 いやしかし、オススメはなんといっても「ヘビの唐揚げ」。だまされたと思って、ぜひ一度お試しくださいまし。 ![]() ![]() 残念ながら「ヘビの唐揚げ」のデジカメ写真がないので、今回は廣州の清平市場で撮った写真です。果子狸は、日本でいうところのハクビシン(上左)。臭みが強く、かなりの珍味。土鍋煮込みが一般的。 サソリ(上右)は、やはり唐揚げで。やや苦味が強く、パリパリした食感を楽しむ。 ネコほどの大きさがある小動物。見た目はなんとなくカピバラ似で、やはりネズミの一種(下左)。日本語で調べきれませんでした。すみません。炒めものや鍋で。クセは少なく、わりと人気。 これは地元じゃ「野味」には入らないかもしれませんが、廣州の山羊鍋(下右)です。体がポカポカになります。
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