| 「亜細亜くいだおれ」 September 19,2000 | |||
| モメチョッタなお茶 | |||
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「体にいい」ことを、韓国語でモメチョッタ。これはヨボセヨ(もしもし)、マシイッソヨ(おいしい)、ケンチャナヨ(だいじょぶ)に続いて覚えたい、たいへん重要な言葉である。 地元韓国人の友人と話してると、毎日の食事は「ソレは胃にいい」「アレは白くなる」「コレは肌つるぴか」と、なにしろ体にいいことづくめ。ソウルでは、食堂、市場、レストラン、ホテル、ファストフード、デパ地下と、ごはんといえばどこでもモメチョッタなのだ。それはもう、マシイッソヨ(おいしい)以前にモメチョッタありきといった感じ(※今日も調子にのってます。すんません)。 同じ「体にいい」ものでも、中華圏よりさらに能動的というか攻撃的というか。なにしろごはんを食べれば毎回ニンニク、唐辛子、野菜、そして薬草がてんこ盛り。たいていは、素材そのままがわかる「プリミティブごはん」。そのうえ街中で韓国女性の白いつるぴか肌&しなやかな黒髪を目の当たりにすりゃー、韓国ごはん=モメチョッタを、健康フェチとしては疑いようがないわけで。 てなことで、ソウルへ遊びに行ったら漢方は身近なおともだち。京東市場(きょんどん)には文字通り漢方素材が山と積まれ、明洞(みょんどん)の参鶏湯(さむげたん)にはフレッシュ高麗人参がどすん、仁寺洞(いんさどん)の喫茶店には薬草たっぷりの伝統茶がずらっと並ぶ。 ソウル初めての観光客にも、プリミティブに漢方を体験できるモメチョッタものとしておすすめなのが、この伝統茶。 マーマレード状の柚子の砂糖煮をお湯で溶いて飲む柚子茶(ゆじゃちゃ)は、ビタミンCたっぷりで美白に。干し柿とシナモン入りの水正果(すじょんくぁ)は、ストレス解消に抜群。五味子茶(おみじゃちゃ)は、アイスで飲む甘酸っぱいお茶で疲労回復。そして7種類の漢方薬を煮込んだ双和茶(さんわちゃ=双和湯)は、滋養強壮に効果があると固く信じられている。 「ソウルソー トゥルツェイロウ チャイパヌン チプ」は、仁寺洞からお散歩距離にある漢方茶の店。小さなテーブルがいくつか並ぶこぢんまりした店で、女将がひとりできりもりする。 漢方の医者から伝授されたレシピで作る漢方茶は、7種類の漢方薬を煎じた超伝統的な双和湯(さんわたん)のみ。これにオプションで高麗人参を入れた十全大補湯(しっぷじょんてぽたん)と、鹿角ゼリーを加えた鹿角湯(ろっかたん)の3種類。 それからあとひとつ、思い出すだけで生唾ごくりのおいしいおしるこも食べられるので、これは絶対忘れずに。 漢方茶もおしるこもすべて、店内の小さなガス台と中庭に並べた大鍋で、女将が丁寧に作る。鹿角湯に入れる鹿角ゼリーは、当初「最初から漢方茶の中に入れてしまって」サーブしていたが、それだと「貴重な鹿角ゼリーをたくさん入れてるのに実感してもらえない」からと、現在では客に自分で入れてもらう方法をとっている。やはりプリミティブがいちばん。 客は、山盛りの鹿角ゼリーを自分の目で確認し、一片も残さず双和湯に入れて飲む。確かにこのほうがありがたさが倍増するなと感心した次第。 目でもありがたく、飲んでありがたい鹿角湯。わたしの体験でコレは確かにモメチョッタでしたが、味は相当に苦く、どっちかというとまずい部類のものなのであしからず。一緒に出されるしょうが糖を食べながら、ゆっくりどうぞ。 ![]() ![]() ![]() 上左:「お汁粉」 アズキで作ったおしるこは、日本でいう「御膳しるこ」(ツブツブがないやつ)。栗やギンナンを彩りよくのせ、最後にシナモンパウダーをぱらり。 上右:「双和湯」 當帰、甘草、桂皮、熟地黄、川芎などの薬草を、まる一日煮込んで作る漢方茶。最後に松の実と、タネを取った棗の輪切りを浮かべる。かなり苦い。 中:「鹿角ゼリー」 煮込んだ鹿角は、最後はこんなゼリー状に。白い小皿に出された鹿角ゼリーを、自分で双和湯に入れて一緒に飲む。 下:「鍋」大鍋のなかで木片に見えるのが、鹿角。こんなにたくさんの量を、何日も何日もとにかく長時間煮込む。
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