| 「亜細亜くいだおれ」 October 17,2000 | |||
| 香港、3時のおやつ | |||
| |||
中環(ちゅんわん=セントラル)で新しい茶餐廳(ちゃーちゃんてん=香港式の喫茶店)を見つけて入ってみたら、テーブル上にあったスタンド式メニューに、おもしろい言葉を見つけた 3點3(さむでぃむさむ)。 廣東語で3時15分。香港では一般的に使う時計の読み方だが、この「點3(でぃむさむ)」は、発音が「點心(でぃむさむ=点心のこと。蒸し餃子や饅頭などの総称)」にそっくり。 そのためこの「3點3」に限っては、時間を示す他にもうひとつの意味をもつ。音から連想される「3點(さむでぃむ=3時)に食べる點心(でぃむさむ=点心)」。つまり「3時のおやつセット」というわけだ。 香港人のMiu Hingがいうには、茶餐廳でのこういう表記はすごく「ムカシ風」だそうで、なんだか急に小さい頃を思い出し、ひたすら懐かしがる。 路上の街市(がいしい=市場)が消え、ビルが建ち、街がどんどんきれいになる反面、香港の街にはなぜかムカシの香港を連想させるカフェやレストランがたくさん出来た。わたしが訪れたその茶餐廳は、香港の俳優たちと伝統菓子メーカーが出資したチェーン店で、インテリアはハイテクで超モダン。だけどメニューのラインナップに関していえば、その名前やカテゴリーから思いきり懐古に走っているのだった。 その懐古メニューから、わたしは西多士(さいとーしー)を注文した。これは現在も茶餐廳では普通に食べられる、香港式のフレンチトースト。2枚の薄切り食パンの間に甘いピーナツバターをたっぷり塗り、溶き卵を浸けて揚げ焼きし、バターをのせた謎のおやつで、メイプルシロップやきび砂糖シロップをたっぷりかけて食べる。甘くて油っぽくてムチャクチャくどいが、街そのものがエネルギッシュな香港では、すごく「らしい」食べ物と思うのだ。 ところで、茶餐廳で甘いものを食べるとき「甘いものには甘くない飲み物派」のわたしが必ず注文する飲み物は、熱奶茶(いっないちゃー)。これはポーレイなど中国茶と西冷紅茶(さいらんほんちゃー=セイロンティー)をブレンドし、エバミルクを加えた香港独特のミルクティー。お茶もミルクも非常に濃く、コクがあり美味。香港へ行くと、絶対どこかでこれを飲んで帰るわたしである。日本の喫茶店で飲む極薄ミルクティーが許せないのは、こんな理由があるのかもしれない。 意外に数多いわたしの友人たちのように「甘い物にも甘い飲み物派」なら、凍奶茶(とんないちゃー)をオススメ。こちらはエバミルクの代わりに練乳を入れたアイスミルクティー。 えげつないほどに甘いのと、飲むそばから太りそうでわたしはめったに頼まないが、これが一度飲むと結構癖になる禁断の味。だまされたと思っておためしください。ただし香港の茶餐廳は冬でも基本的に冷房大サービスなので、セーターかジャケットはお忘れなく。こんなとこまで油断ならない香港なのであります。 ![]() ![]() ![]() 写真上左:21世紀冰室の「西多士」と「熱奶茶」。「古い店に比べたら高めだけど量は2倍近くあるし、まあ高くはないね」と、しっかり者の香港人友人は真面目に分析。 上右:店内の雰囲気はお洒落なカフェ風。けど、メニューはムカシの茶餐廳式。 中:21世紀冰室のすぺさるメニュー表。3點3は廣東語で3時15分。3時の点心タイム。 下左:太子(たいじー=プリンスエドワード)の花園街に昔からある茶餐廳の「西多士」。今日はピーナツバターの量が大サービスでありました。 下右:中環の文華東方酒店(まんわーとんふぁんじゃうでぃむ=マンダリンオリエンタルホテル)G/Fのカフェで食べた「西多士」。これは仏式(ふぁっしっ=フランス風)とかで、ピーナツバターなし。
|
copyright(c) 1997-2003. USHIJIMA, Naomi all right reserved.