| 「亜細亜くいだおれ」 May 15, 2001 | |||
| 華麗な朝飯前 |
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早朝の公園や広場で見かける太極拳や気功は、中華圏ではごく当たり前の日常風景。これらを見学するのは、旅先での楽しみのひとつである。 単なる「動き」的に、わたしは太極拳が好きで、まるで全身で海の波を表しているかのような優雅な動きは、見ているだけで本当に心なごむ。基本を習ったことはないが、そっと遠巻きにしながら、あるいはグループの後ろにぴとっとくっつき、その動きを真似したことは一度や二度ではない。どこでも大抵、突然の訪問者を気持ちよく迎えてくれるものだ。 中国でも香港でも台湾でも、さらにどこの公園もだいたい運動のラインナップは同じだが、ある日強烈な公園を見つけた。台北の榮星公園である。 広い公園のあらゆる場所で、人々が思い思いの動きをしていた。太極拳、気功、カラオケ、社交ダンス、剣舞、ジョギング、エアロビクスなど。少数派は2、3人から、大きなグループになるとなんと100人単位で動く。全員が同じユニフォームを着ているグループもあれば、カラフルな思い思いの格好で集うグループもあり、彼らは所狭しと動き回り自分たちの朝のお勤めにいそしむのだ。聞くと「毎日来る」「仕事前に寄る」「一日中ここで過ごす」など参加形態もさまざまだが、なにしろ熱心な人が多い。 人数でいえば、太極拳をやる人の数がいちばん。でも、わたしにとっていちばん衝撃だったのは社交ダンスだった。カップルで踊りまくる人、水玉のフレアスカート姿でくるくる回り続ける人、女性同士で踊る人、親子で仲良く練習する人、とにかく座ってお茶を飲み喋り続けるだけの人。詳細は覚えてないが、曲のジャンルもいろいろだった。その日わたしは、目の前で行われている出来事を、随分と長い時間見物してしまった気がする。 社交ダンス倶楽部(勝手に命名)の平均的様相は、こんな感じである。大木の枝は着替えをかけるクローゼットに、テーブルは青空茶藝館に早変わり、大きな発電機を持ちこんであり、別の木の枝にはスピーカーが取りつけられている。さらに他の人が何をしていようと、まるで関係なく本格的に朝食をとっている人が、グループにたいていひとりはいる。 女性が多いグループでは、日差し避けの屋根をビニールシートで作ってあった。出勤前の日課という人もいるが、午前中いっぱい公園で過ごす人もいて、屋台も営業にやってくる。木陰に半身を隠し、そっと様子をうかがいながら、わたしもこのくらいまじめに遊ばなくっちゃなあと、意を新たにするのだった。 特にわたしの印象に残ったのは、スケーターワルツでただひたすらくるくる回り続けた女性。彼女は、相当数の社交ダンサーのなかで群を抜いて個性的だった。何年もたってから公園へ遊びに行っても、くるくるダンスを踊る彼女を見つけることは、とてもたやすいのではないかと思う。 ところで、榮星公園を出てすぐのところには大きな市場がある。 公園へ行き、太極拳を真似て社交ダンスを見学した後は、ぜひここで楽しい朝ごはんを。新鮮なフルーツやお菓子は安価で山盛り買えるし、ほかほかの炊きこみごはんやお惣菜は屋台でテイクアウトできる。また精進料理の自助餐(ずーずーちゃん=ブッフェ形式でおかずを選ぶ店)など、地元ならではの味が気軽に堪能できる。 実はわたしの場合も、本当の目的はたいていこっちなのだった。
![]() ![]() 上左:とろんとしたスープに、細長い肉団子や香菜、きくらげ、卵などが入っています。好みで烏酢やコショウをかけて食べます。 上右:豚ひき肉と穂先メンマの和え物。箸休めにオススメ。 下:簡素な店ですが、公園で遊んだ後のでけたて熱々朝ごはんは何より美味なり。
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