24/12/2002


今年の冬は街中のしとたちが「ふかふか・もこもこ・まるまる」を身に付けていて、すれ違うだけで「んもぉ〜」って、両手のこぶしをアゴ脇で、左右に素早く、しかも小刻みに揺らしてしまうのですよ、おれ。そんくらいうれしい。見るだけでまじめにしやわせ。なんと安上がり。もちろん自分も、首にはチンチラ、バッグはフェイクファー。ときどきブルーフォックスのまるまるブローチもつけます。どれもむっちゃやわらかく、触ると「あーん」っていうくらい「ほわほわ」。

で、車窓から街のクリスマスイルミネーションをぼんやり眺めながら、ふとむかーし行ったメキシコ取材を思い出した。

メキシコシティへの出張中。ホテルの部屋まで入り込んでくる、それはそれはひどいクルマの排気ガスにカメラマンは毎日イライラしっぱなしだった。カンクン郊外で世界遺産を取材した後だったから、たぶん余計ひどく感じたんだと思う。テオティワカンまでチャーターしたクルマも、なぜか排気ガスがどこかのパイプからもれていたらしく、車内にまで充満するひどい匂い。

だけどもわたしは市内を走るタクシーがすべてVWビートルで、見てるだけでココロから楽しくてしかたがなかった。毎日アルファ波がびしばし出まくり。それはもう、リラックスしてた。だからそんな街のガスのことなんか少しも気にならず、「タクシーがビートルでかわいくって、わたしはしやわせでたまらない」と顔を上気させながら本気ではしゃいでいた。そんなわたしに、カメラマンは、「…本当に、気楽な人、ですね」と、世の中のすべてが凍りつくような冷たい声でいった。

ほんとにお気楽なんだろう。たぶん、おれ。

老いも若きも女子はみんなが「ふわふわ・ほよほよ・もあもあ」してる街を、そんなことを思いだしながら歩きました。ところで、ヨドバシカメラはたいへん込み合っていました。レジも行列。プリンタのインク、むちゃくちゃ売れてたなー。


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