もちろんデイサービスはおやすみ。ドタキャンなので、お金だけはしっかりとられてしまうのだが、父がこんな状態じゃどうしようもない。なにしろ、歩くことはおろか、立つこともできないでいる。どうしちゃったんだろう。うううう。
昨晩から入れ歯をはずしたままだったこと、さらに寝てからずっと何も口にしていないのが気になって、何度も何度も見にいき、声をかける。父は「うー」とか「がー」とか、声にならない、うなり声のようなものだけを小さく返す。
とりあえず、ぬるめのお茶を入れてもっていき、ベッドを上半身だけ起こして、ひと口飲ませる。でも、すぐにいやいやをする。それなら、甘いものはどうだと、サイダーにハーゲンダッツのリッチミルクを浮かべて、「クリームソーダだよ」と口元までもっていき、スプーンでふた口つっこんだ。よしよし。水分と濃厚カロリー、すこしだけだけど補給の巻きだ。
ショートステイというサービスが、誰のためにあるかというと、団体生活をすることで患者の脳を刺激するという役目ももちろん担ってはいるんだけれど、じつはコレ、日々眠れずに介護している側へのごほうびのような役割もある。日々ノイローゼのような生活が続くと、泣き喚きたくなるわたしたちなので、ショートのように、一日、二日だけでも「きちんと眠れる日」があると、本当にありがたい。
けど、それって、なにか違うんじゃないのか。無理があるんじゃないのか。安心してあずけられなくちゃ、サービスの意味がないと思うのだ。と、へろへろで、「おれはもうだめだぁ〜」「死ぬ〜」と、ぶつくさいっている父を見ながらチクンと胸が痛くなる。ああ、だけど、おれにもおれの生活があるはずで。ふーう。この葛藤はずっと続くんだろうなあ。
クイーンアリスのソフトクリーム。マンゴーマンゴーバナナ。
午前中、父は死んだように眠っていた。ときどき不安になって、息をしているかどうか確かめる。ふぅ。まったくもーしんぱいかけやがって。 