こっちを向いたので、思いっきり笑顔で手を振るが、父はおらのことがわからないようだった。ひいい。あわてて近くへ寄ると、お口の周りがあわあわになってる。お薬が多すぎるとき、父はだいたいこういう症状が出た。わたしが考えるところの、一種の抗体反応だ。
おかしいと思ったので、即効で介護士につめより「なんのお薬を飲みました?」と聞くと、「あぁ、昨日は薬を飲んで、注射をしました。詳しくは看護士に聞いてください」。
ち! ち、ちちちち、注射!
あわてて看護士のところへ急ぐ。ああああ、やっぱ、こんなとこへ預けなきゃよかったのかも。預けるべきじゃなかったのかも。そんな思いがぐるぐるする。初日に注射かよ。病院って怖い。
とりあえず状況と注射の内容だけ聞き、家から持ってきた薬を渡す。ああ、この薬を昨日持ってくれば注射なんかされずに済んだのかも。なんとなく後悔の念がよぎる。
ほんでも、でもね、その後しばらく見てたら、父は落ち着いていて結構だいじぶそうだったので、とりあえずそのまま帰ることにした。おらが騒ぎすぎなのかもしれないし。それに明日までだし、だいじぶだろうと踏んだのですた・・・。
病院へ父の様子を見にいぐと、これから食事のようで、食堂に全員が集められている。 